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N響ザ・レジェンド 2015.10.31(土) シルヴェストリの音楽(1964年)



NHK FM 「N響ザ・レジェンド」(毎週土曜日 午後7時20分~午後9時00分)

10月31日の放送は「シルヴェストリの音楽(1964年)」と題して、ルーマニアの指揮者コンスタンティン・シルヴェストリ(Constantin Silvestri)が1964年に東京文化会館で行ったコンサートから放送される。

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コンスタンティン・シルヴェストリ(1913年~1969年)
ブカレストに生まれ、ブカレスト国立音楽大学で学んた。
1930年に指揮者としてデビュー。
ルーマニア国立放送管弦楽団の主席指揮者、ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を歴任。
1963年にイギリスのボーンマス交響楽団の主席指揮者となる。
日本へはただ一度、1964年に来日している。作曲家としての代表作は「弦楽オーケストラのための3つの小品」である。



今回のFM放送では

グリンカ作曲「歌劇“ルスランとリュドミーラ”序曲」
ドボルザーク作曲「序曲“謝肉祭”作品92」
チャイコフスキー作曲「幻想序曲“ロメオとジュリエット”」
ブラームス作曲「交響曲 第4番 ホ短調 作品98」
ワーグナー作曲「歌劇“ローエングリン”から 第3幕への序奏」

が取り上げられる。


Pick Up
ブラームス作曲「交響曲 第4番 ホ短調 作品98」
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ブラームスが書いた最後の交響曲で、晩年の枯淡の境地が感じられる。独特のロマンティックな美しいメロディが聴かれる。この曲の初演当時には賛否両論があったが、ブラームス自身はこの曲を自分の最高傑作と評している。おしなべて、ブラームスは古典様式に独創的なテクスチュアを融合させているが、この創作姿勢にはM.ラヴェルと共通するものがある。



第1楽章 Allegro non troppo

ホ短調 2/2拍子 ソナタ形式

Vln群が第1主題を奏する。晩秋の哀感のようなものを感じさせるメロディである。
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しばらくして(57小節目)悲壮感のある第2主題がロ短調(Ⅴ度調)でチェロにて奏されるが、いかにもブラームス的な、印象に残る旋律である。この旋律にはVlaとFag.の鋭い音型の伴奏が当てられている。
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95小節目にFl.が新しい主題をロ長調(Ⅴ度調の同名主調)で奏する。これは終結主題と捉えても良いであろう。
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展開部は、第1主題や、第2主題への導入フレーズなどを素材として進められる。


木管による第1主題の冒頭のスローな導入の後、再現部が開始される。(258小節目)
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やがて第2主題が原調で再現され、さらに終結主題は原主長調で再現される。
結尾部は第1主題がカノン風にトゥッティで表現され、曲はプラガル終始で閉じられる。


第2楽章 Andante moderato

ホ長調 6/8拍子
ホルンと木管が奏でる短い序奏の後、クラリネットが特徴のある旋律(主題A)を歌う。
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このテーマから派生した楽句が続き、3連譜を主体とした小クライマックスが出現した後、新しい旋律(主題B)がチェロによって歌われる。
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その後、主題Aがかなり装いを変えて出現し、続いて主題Bが重厚なStrings編成にて歌われてゆく。
結尾部は懐古的な雰囲気を保ちつつ、弱音にて締めくくられる。


第3楽章 Allegro giocoso

ハ長調 2/4拍子

ブラームスには珍しく賑やかな気分のする楽章である。ベートーヴェンのスケルツォに相当する楽章だが、ベートーヴェンのような線の太い躍動感というよりは、キメの細かいテクスチュアが根底に感じられる。

次の2つのテーマを基に構成されている。

テーマ1
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テーマ2
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第4楽章 Allegro energico e passionato

ホ短調 3/4拍子

パッサカリア形式で書かれていて、ブラームスらしい重厚な雰囲気が漂い、最終楽章にふさわしいものとなっている。

まず次のような主題が提示される。
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この後、30の変奏が続くが、内容的には3つの部分に分けられる。
1.提示部-第1-15変奏      2.展開部-第16-23変奏     3.再現部-第24-30変奏

(例:第16変奏)
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コーダ部は速度が速まり、強い緊張感をもって劇的に終わる。



クラシック音楽館  2015.11.1(日) <NHK音楽祭2015  ベルナルト・ハイティンク指揮 ロンドン交響楽団>



NHK Eテレ 「クラシック音楽館」(毎週日曜日 午後9時~11時)

11月1日の放送は「NHK音楽祭2015」シリーズから、2015年10月1日にNHKホールで開かれた巨匠ベルナルト・ハイティンクのコンサートの模様が放送される。

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ベルナルト・ハイティンク
1929年アムステルダム生まれ
1955年にオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団の次席指揮者に就任。
その後、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、ロンドン交響楽団の首席指揮者に就任。
レパートリーはベートーヴェン、シューマン、ブラームス、ブルックナー、エルガーなど幅広い。
日本には10回あまり来日している。



今回の放送では

1.メアリー女王のための葬送音楽(パーセル/スタッキー)
2.ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58(ベートーヴェン)
3.交響曲第1番 ハ短調 作品68(ブラームス)

が取り上げられる。


Pick Up
ベートーヴェン作曲「ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58」

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ピアノ協奏曲第4番は1806年に作曲され、1808年に交響曲第5番、第6番と共に初演されたが、不評に終わった。
最初に成功したのは1836年にメンデルスゾーンが指揮してからと言われている。






第1楽章 ト長調4/4

冒頭のスコア     いきなりピアノ独奏で始まる。
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第1主題はOb.とVl.のオクターウ ゙ユニゾンで奏でられる。「運命」の動機が使われている。
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やがて第2主題がVl.で現れる。
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オーケストラによる呈示部終了の後、ピアノが下譜のように加わる。
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しばらくして第3主題が出現する。革新的とも言える導入である。
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再現部終了後にカデンツァが奏されるが、これにはベートーヴェン本人が書いたものが2種類と、他のコンポーザーやピアニスト達が書いたものがある。

ピアノのアルペジオ伴って曲は終わる。
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第2楽章 ホ短調2/2

オーケストラのユニゾンとピアノが対話していく形式で書かれている。瞑想的な楽章である。

25小節目付近のスコア
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第3楽章 ト長調2/4

活発なロンド形式で書かれている。使われている主題は次の2つである。

(主題A)
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(主題B)
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N響ザ・レジェンド 2015.10.24(土) 職人・ライトナーのドイツ音楽



NHK FM 「N響ザ・レジェンド」(毎週土曜日 午後7時20分~午後9時00分)

10月24日の放送は「職人・ライトナーのドイツ音楽」と題して、ドイツの指揮者フェルディナント・ライトナー(Ferdinand Leitner)のコンサートから放送される。


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フェルディナント・ライトナー
1912年~1996年 ベルリン生まれ
1926年にベルリン音楽大学に入学し、作曲と指揮法を学ぶ。
1947年にノレンドルフ・プラッツ劇場の指揮者に就任。
モーツァルト、ブラームス、ブルックナーなどドイツ語圏の作曲家の作品を得意とする。



今回のFM放送では
バッハ作曲「ブランデンブルク協奏曲 第3番 ト長調 BWV1048」
ハイドン作曲「交響曲 第104番 ニ長調“ロンドン”」
モーツァルト作曲「セレナード ニ長調 K.320“ポストホルン”」
が取り上げられる。


Pick Up
バッハ作曲「ブランデンブルク協奏曲 第3番 ト長調 BWV1048」
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ブランデンブルク協奏曲は6曲からなる合奏協奏曲で、1721年にブランデンブルク=シュヴェート辺境伯であるクリスティアン・ルートヴィヒに献呈された。
かなり長い期間にわたって作られたとみられるが、第3番はバッハのヴァイマル時代に作られたと推測される。





ここではオリジナル編成での譜を用いて紹介する。

第1楽章 ト長調4/4

冒頭のスコア     下線の音型が曲全体に散りばめられている。
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しばらくすると次のようなメロディが1st Vlnで現れるが、冒頭のテーマが対旋律となっている。
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中間部に1st Vlnが印象的なオスティナートを奏でる。
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第2楽章 ホ短調4/4

一般にチェンバロで短いカデンツァを奏する。フリギア終止する。



第3楽章 ト長調12/8

曲は速いテーマがカノンで始まる。
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途中でVlnやVlaが新しいテーマを奏でる。
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活況を呈しながら曲は終わる。
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